大阪大学「K値」教授の中野貴志といい、東海村の仁井田浩二といい、もともとが物理の出身らしく、数値計算や統計のシミュレーションが得意なのはわかった。しかし、なんかおかしくないか?このコロナ騒動で数値計算の例を感染病対策に役立てるという美名らしいが、彼らはフクイチ対策のために何かしたのか?
中野が機構長を務める大阪大学の核物理研究センターとは日本有数の原子力関連施設であるし、東海村の仁井田はまるごと日本原子力開発研究機構にお抱えの計算機科学施設を任されている機構長だ。しかも、両氏の背後には怪しい政治勢力がいるとみてもよい。
中野は大阪府知事の有識者会議でオブザーバーとして出席し、自身の考案した「K値」を披露したが、現大阪府知事もしくは大阪市長は日本維新の会の主要メンバーである。中野が彼らに担がれて表舞台にたったのか、それとも中野の方が彼らを担いでいるのか、それは明らかではないが、ともかくも「大阪を盛り立てよう」という勢力の渦中にいるらしい、ということは見て取れる。
一方の仁井田が長をつとめる(一財)高度情報科学技術研究機構という組織は、もともと日本原子力研究所のなかの一組織で、いまもその所在は東海村の日本原子力研究開発機構となっている。ここの大プロジェクトがスーパーコンピュータの「京」というもので、民主党政権時代の事業仕分け「一番じゃなければダメですか?」で有名になった経緯がある。そこの機構長を務めるぐらいであるから、民主党政権下での「京」問題には忸怩たるものがあったのであろうことは想像に難くない。
しかし彼はなぜ「アゴラ」なる政治勢力に頼っているのか、あるいはなぜ彼らに支えられているのか?「アゴラ」といえば、ネット民にはかなり知られている「イケノブ」の主宰するネット情報サイトであるが、「専門家の意見を掲載する」という標語のもと、福島第一原発事故災害においては災害の犠牲者や被災者にあえて寄り添わない姿勢を貫いてきた。さらには「イケノブ」の学位論文をお認めになられた「ヘーゾー」さまが彼の兄弟子として思い浮かぶ。
いったいこれはどうしてしまったことなんだ、核物理学者たちよ。数値計算で社会データをいじくるくらいなら教えている学部学生にさせておけばよいだろう。しかも、専門分野違いの畑で大暴れしてみたところで最後まで責任をもてないだろうことは所詮目に見えている。
福島の原子力災害が起きてもうすぐ10年になろうとするが、世論が事故を忘れかけたころに横から割って入って活躍すれば、じり貧の原子力を挽回して今後の成長が望めるのか?それはあまりにサモシイよな。「フクイチをなんとかしたい」とでも言って立ち上がってみたらどうだ。そうすれば、世間は数値解析のことも受け入れてくれるだろう。